蝉フィクション

宝くじ1億円当てた男、砂吹(偽名)。彼に誘われた見ず知らずの4人の共同生活 in London. リアルタイム小説&ガイドブックの折衷案。

第21話「リトアニア旧市街から40分、トラカイの絶景と郷土料理キビナイが美味し過ぎる」

 

先から更にショートトリップ、それも
一日や半日で往復できる都市はありがたい
。ほんの少しの移動で、まったくちがった
町や空気を味わえる。トラカイ、オススメ!!

 

 

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作家志望、24歳、イギリス6ヶ月目

 

 

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「起きろ、こけし娘!」

 

容赦なくバンバンと肩を叩かれ、私は眠い目をこする。

 

6時50分。ちょっとまだ早くないか、と体を起こすと、準備万端の砂吹がいる。

 

「100円の絶景を見に行こう」

 

 

 

 

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砂吹に叩き起こされた私たちは、泊まった宿から徒歩10分、ヴィリニュスバスステーション(Vilnius Bus Station)に向かった。

 

目的はトラカイ(Trakai)の景色。バスや電車で40分で行ける小さな町。

 

電車よりも本数が多いので、私たちはバスを選んだ。およそ30分おきに来るようで、チケットは運転手からも買うことができる。一人1.8ユーロだ。

 

私たちは適当に来たバスに乗ったけれど、あらかじめ調べたい方はこちらから。

リトアニアバス公式WEB 

 

 


  

Vilnius Bus Station, Sodų g. 22, Vilnius 03211 リトアニア

 

 

 

 

しかしながら、結果として、遅くとも7:20、7:50辺りのバスを強くオススメする。

その理由は……。

 

 

 

 

「1.8ユーロって100円だっけ? もうちょっと高くない?」

 

「何の話だ」

 

「あんたが言ったんでしょ、100円の絶景を見に行こうって」

 

「ありゃあ、あれは、早起きは三文の得って話だろ」

 

 

 

 

私は少しだまる。

 

最近分かってきたのだが、砂吹は偉そうなことを言っているが、実は寂しがりやの、かまってちゃんだ。

 

20歳という若さもあるかもしれないが、知識をひけらかしてはチヤホヤされたい、まあようするに面倒くさい奴だ。

 

知識があるのも、確かなのだが。

 

 

 

 

私は仕方なく、彼が敷いたトークのレールに乗ってあげることにする。

 

「へえ、三文って100円のことなんだ? 意外に安いんだね、知らなかった」

 

「おい、そんなことより、あれを見ろ」

 

こいつは……と内心毒づく。砂吹の視線の先を見る。

 

 

 

 

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「初日もいたよな、こわい人魚」

 

「本当だ。この町のアイコン的存在なのかな」

 

 

 

 

バスが出発してから、たったの40分で到着した。現在8:30。

 

私たちはTrakai Island castleの方へと歩いて行く。

 

道中は、カラフルな家が並んでいて可愛い。

 

人口たった5000人の小さな町。その住人たちが住む家だ。

 

 

 

 

 

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そして、景色が開けた瞬間、私たちは息を飲んだ。

 

 

 

 

 

 

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少しだけひんやりする空気。

 

完全なる無音。

 

湖面に写る、城の影。

 

 

 

 

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私たちは、こんな時、示し合わせたように思い思いの方角へ散歩を始める。

 

携帯が通じないから、迷子になる可能性もあるのだけど、そんなことはもう関係なくて

 

そして少し経ってから、みんなで一緒に歩く。見終わった映画の感想を言い合うような感じで、言葉を交わす。

 

誰が言い出したわけでもないのに、そんな風に観光をする癖がついていて、私にはそれが嬉しかった。

 

 

 

 

広末くんはカメラを構え、砂吹は同じ場所に座り続けていた。私は歩いたり、知らない花を見つけては、それについて通りがかった地元のおじいさんと話をしたりした。 

 

 

 

 

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私たちが橋を渡って戻ってくる頃には、人がかなり増えていて、観光客がたくさんいた。

先程の静けさはもうそこにはない。

 

というわけで、遅くとも7:50のバスで8:30に到着するのがおすすめ。

 

6時台のバスもあるので、その方が確実かもしれない。私たちの行った日は月曜だったためか、レストランも休みの場所があり、人も少なめだったのかもしれない。

 

 

 



 

朝ご飯も食べていなかったので、私たちは近場のレストランに入った。

 

外観はイマイチなのだが、中に入るとちゃんとしたレストラン。

 

 

 

 

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ここで私たちは、郷土料理であるキビナイを注文。

 

キビナイとは、カライメ族の伝統料理で、トラカイが最も有名。

 

スパイシーな、具沢山ミートパイ。

 

砂吹はワインを、私と広末くんはお水にした。

 

 

 

 

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 ついに! 実は私はこれをとても楽しみにしていた。

 

ビーフ、ポーク、チキン、マトンチーズなどがある。

 

ビーフとマトンチーズを注文。

 

ナイフちょーだい、というと、これは家庭料理だから手で食べるのよ、と言われる。

 

 

 

 

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 ほらー、綺麗に切れないー、と広末くんがこぼしながら写真を撮ってくれる。

 

私たちは待ちきれなく、それぞれ食べ始める。

上がビーフ、下がマトンチーズ。

 

まず、このパイ生地が、今まで食べたことないくらいに美味しい。この絶妙なふんわりとサクサク感の秘密は、生地にサワークリームを使っているそう。

 

中のお肉もジューシーで、これがおやつなどで食べられるリトアニア人がうらやましい。たくさん食べたいのに、2つも食べると、満腹になってしまう。

 

 

 

 

お店はこちら。テラス席もある。 

 

Trakų Dvarelis, Trakų g., Trakai 21104 リトアニア

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 湖のほとりにあるイタリアンなどは観光地価格だったけれど、ここは安かった。

キビナイ2つで4ユーロちょっと。

 

 私たちは大満足で、来た道を腹ごなしにゆっくりと歩く。

 

 

 

 

「砂吹、今日の早起きの得は、100円どころではなかったよ」

 

「ですねー、早起きするもんですねー」広末くんも空を仰ぎながら言う。

 

ありがとうと言うと、砂吹は照れくさそうに鼻をこすった。

 

 

 

 

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 次回、久しぶりの短編。

olm-h.hateblo.jp

 

 

 

 

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