蝉フィクション

宝くじ1億円当てた男、砂吹(偽名)。彼に誘われた見ず知らずの4人の共同生活 in London. リアルタイム小説&ガイドブックの折衷案。

Short Film

Short Film 8「山で遭難して九死に一生。そのとき僕は7日間の断食だと考えていた」

とりあえず、気力があるうちは状況を書き留めておく。 1日目 同僚と山に遊びに来ていて、あろうことか、はぐれてしまった。 携帯も通じない。方向も分からない。 人は、水がなければ1週間も生きることができない。 しかし、水さえあれば、1ヶ月は生きられる…

 Short Film 7「青の洞窟 大御所カメラマンよりも、彼氏が君を可愛く撮れるわけ」

「撮るべきはそこじゃねえんだよ。お前はいつも、一番大事なものを見落としてる」 先日、テストシュートを見せた時に師匠に言われた言葉だ。 ファッションや広告業界で活躍する師匠のアシスタントについて、3年の月日が流れていた。 大御所カメラマン、とい…

Short Film 6「The Blue Cave in SHIBUYA Japan」

Short Film 6 「There is a beauty in your story.」 Three years ago I decided that I would like to become a professional photographer. But I was still just an assistant to my master. My master said to me, “Your pictures always lack a story. …

Short Film 5「月が綺麗ですね、に込められた本当の意味」

「それ、意味わかってて言ってます?」 12月に入ったばかりの土曜日の夜だった。 僕たちは寒空の下、彼女の家へと続く川沿いの道を歩いていた。 意味なんて、そのままではないか。思ったことを言っただけだった。 「それくらい、わかってますよ」僕は怪訝に…

Short Film 4「現代版・ブレーメンの音楽隊」

作家志望、24歳、イギリス6ヶ月目 Short Film 4 「現代版・ブレーメンの音楽隊」 出鼻をくじかれると、嫌になる人間だった。 たぶん、不器用ではない。むしろ器用な方だ。 クラスでも、初めてやることは人よりうまくできたし 努力をすれば、やっただけの結果…

Short Film 3「幸福度99.8%の国に行ってみたら、誕生日がなかった」

Short Film 3 「幸福度99.8%の国に行ってみたら、誕生日がなかった」 ー 母 ー 3月。 私たちに、待望の子どもが生まれた。 女の子だ。エイミーと名付けた。 外国では、この世に生まれた日のことを誕生日、と呼ぶようだ。 12ヶ月ごとに人はひとつずつ、年齢と…

Short Film 2 「どこでもドアと、だれでもドア」

Short Film 2 「どこでもドアと、だれでもドア」 2112年のドラえもんの誕生予定からは100年が経ってしまったが 2212年、どこでもドアが開発された。 世紀の大発明といっても過言ではないこのドアの売れ行きがイマイチなのは、 高価だということもあるが、そ…

Short Film 1 「自動尊厳死システム 75歳に設定しました」

日本でも尊厳死が認められるようになって、5年の月日が経過していた。 そして今年、S博士によってまた新たな制度が導入されることになった。 自分の命日を自分で決めることができる、自動尊厳死システムだ。 手続きとして、まず役所に行き、あらかじめ希望の…