蝉フィクション

宝くじ1億円当てた男、砂吹(偽名)。彼に誘われた見ず知らずの4人の共同生活 in London. リアルタイム小説&ガイドブックの折衷案。

第18話「イギリス人が好む夏の風物詩、Pimm'sというカクテルが美味し過ぎる」

夏の終わりを惜しむように、私たちはPimm'sというカクテルで乾杯をした。味の印象は紅茶っぽい。さすがイギリス人と言ったら、味音痴は喋るなと砂吹が言った。 作家志望、24歳、イギリス3ヶ月目 カメラマンの広末くんをハウスメイトとして迎えてからまだお祝…

第17話「面倒見の良い社長が持っているのは、金ではなく定期券」

何故スポンサーのおれがこんな雑務を?と宣ったのだが、三井がうるさいのでおれも日記を書く事に。手元に1億あったところで、おれはまだ何も手にしていない。 宝くじが当たった無職、20歳、イギリス4ヶ月目 「おい木よ。 そんな姿になってまで立っているおま…

第16話「逆になぜ同性愛に目覚めなかったのか ブライトンのゲイパレード2017」

世界三大ゲイの町、ブライトン。毎年開催されるプライド、ゲイパレード。思い思いの衣裳を纏う彼らは、いつだって真剣に、胸を張って堂々と生きている。 *カメラマン、32歳、イギリス4ヶ月目 引っ越しの手伝いをしてくれるということで、砂吹と三井がロンド…

short short 2 「どこでもドアと、だれでもドア」

short short 2 「どこでもドアと、だれでもドア」 2112年のドラえもんの誕生予定からは100年が経ってしまったが 2212年、どこでもドアが開発された。 世紀の大発明といっても過言ではないこのドアの売れ行きがイマイチなのは、 高価だということもあるが、そ…

第15話「London、ブリクストンの美味しいお店と歩き方」

イギリスらしいものもいいけれど、たまには変わったものが食べたい。そんな人にオススメの町、ブリクストン。多国籍料理が楽しめる、あとは目が楽しい。 olm-h.hateblo.jp Victria駅からVictria Lineに乗って、私たちはランチを求めてBrixtonにやってきた。 …

第14話「痩せようと思えばいつでも痩せられる人」

広末さんの意外な一面に驚く三井。ナレーターはポーカーフェイスで話を進めなくてはならない。そんな時に出てきた砂吹の友人、いつでも痩せれる佐藤くん。 olm-h.hateblo.jp 広末さんと別れを告げ、ブライトンを後にする。 ロンドン行きの電車の中で、広末さ…

第13話「あえて良く思われない第一印象のススメ」

自分の本当の性格と相反して他人の評価がいつも高い。ハウスメイトと合流したが、また誤解されている気がする。失敗した。第一印象は、良い方が良いとは限らない。 olm-h.hateblo.jp 「ねえ、なんであの時、私が隣から声かけるのが分かったの?」 ブライトン…

第12話「回収されるか分からぬ伏線を人生の中にそっと張る」

洗剤をくれと頼んだ大男は海辺でシャボン玉を作っていた。少女の虹色の部屋の謎がとけて話しかけようとしたその時カメラを構えている青年。待望の3人目。 olm-h.hateblo.jp 砂吹の指さす方向を見る。 シャボン玉を作るおじさんの近くで、カメラを構えてしゃ…

第11話「ホームレスが言った。金をくれ。それがダメなら洗剤でもいい」

虹色の部屋で遊んだという思い出を話してくれた少女と別れを告げブライトン到着。老婆にお金をあげた所を見ていたのか、大男が目の前に現れて言った。 今回は10話を先に読むことをオススメします。 olm-h.hateblo.jp 老婆が手を合わせて座っていた。 老婆の…

第10話「ブライトン旅程で少女と出会う。一瞬で消える虹色の部屋」

3人目の仲間に会いに行くからチケットを取れ。そういって砂吹が指定した場所はブライトンという南の町だった。最近は英国らしからぬ晴れ間が続いている。 ロンドンから電車で1時間ほど行くその場所は、イギリスの最南端。ちょっとしたリゾート地で有名のよう…

第9話「ロンドンで£7.65で極上ハンバーガーとビールが飲めるpub」

緊急避難時にも、ビールグラスを持って逃げるイギリス人男性がニュースで話題になった。それほどロンドンのビールは高い。オススメ良心的価格の英国pub 普通のブログは書くなと、砂吹は常日頃言っている。 砂吹とは、私がロンドンで執筆をするための、実質上…

第8話「自分勝手な男が思う、自分勝手な他人の行動」

記憶を一切忘れられない病気のせいで、亡くなった妻の苦い思い出が生々しく蘇る。笑顔を強いてしまったことを後悔して、リビングの写真をしまった矢先… olm-h.hateblo.jp 最初に会った時から、不思議な青年だということは分かっていた。 彼の英語はめちゃく…

第7話「良かれと思って笑顔の搾取」

空き家に日本人の男女が越してきた。ボーイは個性的だ。毎日勝手にやってきて、ひとり日本茶を飲んでいる。そして老人の戯言に耳を傾けてくれる。 olm-h.hateblo.jp 彼が肩を抱くようにしてくれたおかげで、少し落ち着くことができた。 ゆっくりと、話してみ…

第6話「史上最短の戦争。40分でも多くの犠牲者が出る」

物事が1つも忘れられない病を患う年老いた大家、ヘム。日付だけでその日が何曜日で、何時に起き、朝食に何を食べ、誰と会ったかを記憶している。 olm-h.hateblo.jp 「じいさん、来たぞー」 インターホンはあったが、外から大声で呼びかけることにしている。…

short short 1 「自分の寿命、75歳に設定しました」

日本でも尊厳死が認められるようになって、5年の月日が経過していた。 そして今年、S博士によってまた新たな制度が導入されることになった。 自分の命日を自分で決めることができる、自動尊厳死システムだ。 手続きとして、まず役所に行き、あらかじめ希望の…

第5話「3泊4日の旅行は頑張れるのになぜ人生は頑張れないのか」

人生が3泊4日の旅行なら頑張れる。毎日、何をすればいいかが明確で、短いな、なんて考える暇もなく、精一杯やって死んでいく。そう、蝉みたいに。 ひとつ誤算があったとすれば、三井咲という女が、意外に英語が話せることだ。 アジア旅行なら何度も行ってい…

第4話「Oyster Card、結局どうしたら安く済むのか2017」

olm-h.hateblo.jp オイスターカードは、東京でいうスイカ、パスモです。 ロンドンにおいて、家賃よりも食品よりも厄介でどうにもできない高額な出費、それが交通費です。 オイスターカードのルールは複雑に入り組んでいて、それぞれのライフスタイルによって…

第3話「1億持ってて、エコノミーに乗る男」

このままじゃダメだということは分かていた。 このままじゃダメだという事以外、何も分からなかった。考えるのはもうやめだ。走りながら考える事にする。 「ねえ、砂吹は、スナフキンがすきなの?」 「好きなわけないだろう。おれが一番嫌いなものを教えてや…

第2話「犯罪のにおい。はじめての偽名、決めました」

残された日本生活。お寿司を食べて桜を見て、友達に会って……日本にあってイギリスにないものはなんだろう。とりあえず、ふやけるまで湯船につかろう。 olm-h.hateblo.jp 「えーやめなよ、そんなわけわかんない人についてくの」 「だいたいあんたは昔っから突…

第1話「1億円が当たった男と英国生活はじめます」

今すぐ偽名を考えろ。見ず知らずの男がそう言った。平穏な生活から一転、イギリスでの奇妙な共同生活が始まる。1億持った、不躾で陰険なこの男との。 当たったその日から、一般庶民どもがどんな行動をとるか教えてやろう。 まず、なけなしの金で、何十万もす…

あらすじ

2017年5月10日より始まったロンドンでの謎の共同生活。 三井 咲(Saki Mitsui) このブログの管理人で作家志望。砂吹に誘われ、ロンドンで執筆活動をすることに。 起きたことすべてを三人称他視点で書くことが今の仕事。 砂吹 諒(Ryo Sunafuki) 歯に衣着せ…